発芽を喜ぶ

金曜日に植えたひまわりの種の中で、早いものはもう発芽してきました。
まだ双葉は開いていませんが、ほんの1mmにも満たないぐらいでも、緑色や、茎の赤みがかったところを見つけた子どもたちは、「芽が出た。」と喜んでいました。
楽しみにしていたようです。

花を育てるのは時間がかかります。
種を植えたらすぐに花が咲く、水をやればどんどん伸びる、そういうものではありません。
何かしたらすぐにその結果を求める、あるいは1つしたら1つ結果が出る、そういうものではなく、じっくりと対象に向き合う態度が必要です。
いつか花が咲くという希望を持ち、手をかけ、少しずつの変化を見極め、そのことに期待と夢と喜びを感じる。
そうした時間を過ごすことは子どもの頃に是非させたい経験の一つです。

植物が育つには水が必要で、太陽に当たった方が良く育つということや、肥料も必要だと知識として学ぶのは、小学校高学年。
そのときもちろん、実験観察をしながら勉強します。
でも、自分で育てることと実験観察とでは、情緒的な面で比べものにならないくらい大きく違います。
水をやる時に、明日、花が咲くという希望を持ちながらあげるのと、成長に水が必要かを確かめようとあげるのとでは、対象への共感度、没入度が違います。

幼児期に必要なのは、対象にかかわるときの、そうしたわくわく感、ドキドキ感、幸福感をいっぱいいっぱい体験させることだと思います。
そしてさらに、手間と時間をかけるのが命あるものを育てるということだと、言葉ではなく情緒的な経験として分からせることではないかと考えています。

200数十本のひまわりを、みんなで喜ぶ日を楽しみにしています。