園だより(2月号)から

同じ景色を見る

 小学校へ上がって年月が過ぎ、同窓会か何かで幼稚園の園庭に立ったとき、幼稚園の庭はこんなにも狭かったのかと驚いた記憶があります。また、大人になって振り返ると、幼少年期、時間は無限に未知のものとして目の前にあり、そのことの素晴らしさに気づきもしないままに、日々は過ぎていったものです。
 「子どもの目線に立って」「子どもの心に寄り添って」と、よく言います。言うのは簡単ですが、これはなかなか難しいものがあります。子どもは、上に書いたように、私達大人とは全く違う時間の流れと景色の中にいるからです。
 子どもがしゃがんで何かを見ていたら、そばにしゃがんで同じ方向に目をやり、同じ時間をしゃがんでみる。そして、その子の気持ちを思いやってみる。すると、忘れていた何か懐かしいものを思い出して幸せな気持ちになることがあります。反対に、とても悲しい気持ちになるときもあるでしょう。でも、何か感じられたら、それが寄り添えた瞬間かもしれません。
 マラソン週間が終わりました。およそ300m程のロードを走ったわけですが、子どもたちには3,4倍の距離と時間に感じられたことでしょう。よく頑張りました。走りながら見た景色と時間は、心の中にどのようにしまわれるのでしょう。
 おひな祭りお遊戯会へ向けての活動が、始まっています。楽しさが活動の推進力となっているとき、子どもたちは大人が差し出した活動であっても、自分の生きる景色と時間の中で、確かな喜びを経験することができます。
 そうした時間となるよう、楽しく活動していきたと思います。