園だより3月号より

待ち遠しい

 チューリップの花が咲くのが楽しみ、桜の花が待ち遠しい、新しい学年になるのが待ち遠しい、小学校へ行くのが楽しみ、春が待ち遠しい、・・・。
 私たちは、日々たくさんの待ち遠しさ、これから来る楽しみに期待感を持って毎日を生きています。子ども時代は、そうした気持ちが一層強いものです。楽しみで眠れないというのは、子ども時代ならではのことでしょう。
 さて、年長組では、既に卒業式の練習が始まっています。呼びかけの言葉一つ一つ、動作一つ一つに思いを込めて練習しています。年中少組では、使った物の後片付け、学習の振り返りなどを通して、進級することへの期待感が高まるよう、取り組んでおります。
 そうした取り組みの中で、年長児は小学校へ行くのを楽しみに、年中少児は進級するのを楽しみに3学期の今を過ごしています。年長児の中には、小学校へ行くのは楽しみだけど、幼稚園の友達と離れたくない、まだ幼稚園にいたいといった気持ちもあるようです。
 「ひとつをうしなうことなしに/別個の風景にはいってゆけない。/大きな  喪失にたえてのみ/あたらしい世界がひらける。」(〜『峠』真壁 仁〜)より
という一節が、思い出されます。別れは寂しいけれど、新しい世界との出会いです。別れの寂しさは、これからの期待の中へ溶けてゆくことでしょう。
 そして、待ち遠しさ、期待感は、人を前に進める力を持っています。前向きな気持ちをもって、新しい世界(生活)の中でたくましく生きてゆけるよう、短くとも大切な3月の日々を過ごしていきたいと思います。
 保育日数は、年長組が12日、年中少組が15日です。みんな、頑張れ!