7月の園だよりから

見えなかったことが見えると

 カレーの日はキンキラ(完食)シールの子が多くなります。お代わりをする子もたくさんいます。子どもたちはカレーが大好きだからです。でも、カレーの日の完食率が高いのはそれだけが理由ではないような気がします。
 完食率を高めているのは、自分たちがカレー作りに参加したという嬉しさです。材料を洗い、皮をむき、切ります。それを調理員さんのところへ持って行き、おいしくなるおまじないを一緒にかけ、「お願いします」を言ってできあがりを待ちます。刻んだ材料がどうなって出てくるのかな、おいしくできるのかな、という期待感も加わります。「自分たちで作ったカレーなのでおいしかった。」と、子どもたちは言います。
 今回直接調理に参加しなかった年少さんも、年長・年中さんがやっているところを見学しているのでできる過程を直接見ることができ、「うわぁ、おいしそう!」と期待が膨らみ「食べたいな」という気持ちが高まります。
 おうちでの食事がおいしいのは、作っているお母さんお父さんの背中が見えるからですし、調理する音が聞こえ、匂いが鼻をくすぐるからです。カレーの日においしさが倍増するのは、おうちでと同じように調理する調理員さんの姿が見え、調理の様子が見え、匂いが鼻をくすぐるからです。
 見えなかったものが見えるという経験は、とても貴重なものだと思います。それは、お料理だけでなく生活全般にも言えることではないかと思います。そうした経験を最も身近にできる場所が、家庭であると言えます。
 子どもは、やりたがり屋さんです。ご家庭でも、お料理を一緒に作ったり食事の後片付けを自分からさせたり、お掃除を一緒にしたり、・・・。ぜひ、やらせてあげてください。そうした経験を積むと、子どもは今まで見えなかったものを見ます。それは物事(生活)への理解を深めると同時に、生活への意欲を高めることにもつながります。
 夏休みは、そのとても良い機会だと思います。