橋を渡る

ということで、今日はいつもと違う園庭の様子にちょっと興奮気味だった子どもたちでした。
遊具の中では青い滑り台を我慢してもらわなくてはならず、ごめんね、と思いながら遊びを見ていました。
面白いことがありました。
登降園時に敷いておくゴムマットの上を行き来するのがどうも楽しい様子なのです。
こちら側からあちら側へ、芝で隔てられた場所に架かった橋、そこを渡る楽しさがあるようなのです。
行ったり来たり、あるいはゴムマットの上で回転したりと、楽しそうでした。
 渡っています



橋は、異なる世界をつなぐ道です。
別にそこを渡ったからといって、園庭ですから見知らぬ世界へ行くわけではありません。
でも、例えば原っぱのようなところにドアだけ置かれていたりすると、そこを開けたりくぐったりしたくなりますよね。
子どもだったら、「どこでもドア」だと思うかもしれません。
それと同じで、そこに橋(渡るもの)があるというだけで、子どもは(あるいは大人も)異世界を行き来するようで楽しいのかもしれません。
雪渡り』という宮沢賢治の童話を思い出します。
堅く締まった雪を、「かた雪かんこ、しみ雪しんこ、キックキックトントン」(手元に本がないのでちょっと違うかもしれません)といって渡ってゆくと、そこは狐の子どもたちが幻燈会を催すファンタジーの世界であり、そこを通れるのは小さい子どもだけなのです。
子どもゆえに許されている想像の世界、楽しいですね。


ところで、興奮気味とは言っても、慣れるのも速いもの。
今日の避難訓練は、そんな園庭の様子にも惑わされず、しっかりできました。